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ソフトバンクが2年縛り、4年縛りを廃止へ。改変によるメリットとデメリットを解説

ソフトバンクが携帯電話新規契約者の「2年縛り」を9月中旬に、グループ会社のY!モバイルも9月下旬以降に撤廃する方針だ

――というニュースが入ってきました。

ソフトバンク、携帯契約「2年縛り」廃止 9月中旬
――2019/9/5 18:00 日本経済新聞 電子版

ソフトバンク、携帯料金「2年縛り」廃止へ
――2019/9/5 20:23 産経新聞デジタル

大手三社を始め、携帯電話会社は今まで、2年間の契約が終了する時期の2ヶ月間(更新月)以外に他社に乗り換えようとすると5~6,000円の手数料の他に9,500円の契約解除金、いわゆる「違約金」を払わねばならない「2年縛り」の契約を中心としていました。

時には「4年縛り」と呼ばれるものもあり、顧客が他社に乗り換えにくいよう囲い込んできましたが、その契約の正当性については厳しい声も上がっていました。

期間拘束のないプランも用意するべき、という声に押され、大手三社は申し訳程度に期間拘束のないプランも新設しましたが、そちらを選ぶと2年縛りの契約に比べ月額が1,500~2,700円も高くなってしまうということで、選ぶ人はほとんどおらず、有名無実化していたのが実態です。

10月からの新ルールと新型iPhone商戦に向けたソフトバンクの思惑

そんな中、総務省は6月、10月1日施行の改正電気通信事業法に伴う省令案の中で、現在1,500~2,700円の差がある期間拘束のあるプランとないプランの差額を上限170円までにすること、契約解除金の上限も1,000円までにすることを求めました。

10月からの新ルール

この「10月からの新ルール」が施行されると今度は逆に、わざわざ期間拘束のあるプランを選ぶユーザーは少なくなるかも知れません。

そこで、ソフトバンクは逆に大手三社の中で初めて期間拘束のあるプランを撤廃する方針に踏み出したようです。

つまり「契約解除金」の概念もなくし、どの月でも違約金0円でキャリアを乗り換えられるようにするということです。

さらに、2年縛りを無くす代わりに通信料を値上げすることもしない、とのこと。

170円の月額差や1,000円の契約解除金では囲い込む力は少ないので、今月の新型iPhone商戦に向け、いっそユーザーフレンドリーな姿勢を見せて選んでもらう方が得策、と考えたのかも知れません。

ソフトバンクの宮内謙社長は8月5日の決算会見で「4年縛り」と揶揄される「半額サポート」プランの新規受付を9月末で終了する方針を示していましたが、2年縛りも廃止し、携帯電話の契約形態は大きく変化することになります。

10月から参入予定の楽天も2年縛りを採用しない方針で検討していると報道されています。
追記:その後、楽天は本格参入を来春からにと半年間延期、との報道が入ってきました。

au(KDDI)は契約解除金を1,000円、2年縛りの有無による月額差を170円と、定められたルールの上限に設定したプランを発表していましたが、ソフトバンクに追随する可能性も大いに考えられます。

10月からの新ルール、そして新型iPhone商戦に向け、携帯各社の思惑が交錯しそうです。

携帯各社の思惑

10月から機種代値引きや乗り換えキャッシュバックも減額の可能性

「2年縛り」の撤廃されて、違約金が不要になる――これはユーザーにとって非常に嬉しいことに思えますが、実は必ずしもお得になるとは限りません。

10月からの新ルールは「過渡の囲い込みを抑制」する目的であるため、今までキャリアが自社に呼び込むために行っていた機種代値引きに関しても、上限が2万円までと制限されるのです。

囲い込みの防止という観点では良いことですが、乗り換えキャンペーンの機種代値引きをうまく使って安くスマホを使っていたユーザーにとっては、その方法が使えなくなる、ということでもあります。

おそらく、乗り換えキャッシュバックの額にも影響が出ると考えられます。

たとえばソフトバンクのネット代理店では9月5日現在、プランによってはソフトバンクに乗り換えることで8万円以上の機種代値引きが受けられるキャンペーンを開催しています。

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8万円値引きされるのであれば、仮に1年経ったところで9,500円の違約金を払って他社に乗り換えたり、SIMロックを解除して解約し、Y!モバイルなどの安いSIMをその機種に入れて使ったりしたとしても、差し引き7万円以上安く機種を手に入れられる計算になります。

しかし、10月からの新ルールが適用され、機種代値引きが2万円しか受けられなくなったら、たとえ違約金が撤廃されたとしても安くなるのは2万円だけ。

差し引きでは現在よりも高くなってしまう可能性があります。

元々の機種代が高いiPhoneなどでは、この影響はかなり大きいでしょう。

加えて、10月1日からは消費税が10%に上がるため、高額な機種代にかかる税金も高くなります。

9月中に契約すれば、その後の月々の機種代分割代も消費税8%計算の値段の分割になります。

そのため、たとえ違約金がかかって2年縛りの契約になるとしても、10月の新ルールを待たず9月中に、現在開催されている機種代値引きや高額キャッシュバックの乗り換えキャンペーンを用いて乗り換えておいた方が実は得になる、というケースも大いに考えられます。

確かなことはわかりませんが、10月1日以降は機種代値引きやキャッシュバックといった乗り換えキャンペーンの額が下がり、現在のような高額の乗り換えキャンペーンは最後になってしまう可能性が高いからです。

ユーザーの選択の自由が増えるのは望ましいことですが、なかなか判断の難しいところですね。

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